クレジットカードのリボ払いとは?メリット・デメリット
更新日 2020年8月19日

クレジットカードには1回払い、分割払い、ボーナス払いなど様々な支払い方法がありますが、リボ払いもその一つです。
「リボ払いって名前は聞いたことあるけど、実際どんな支払い方法なの?」という方も少なくないのではないでしょうか?
リボ払いは支払い金額を毎月一定にできたり、カード会社やキャンペーンによってはポイントを多くもらえるなどのメリットがあります。
一方で、リボ払いには「金利手数料が高い」「人によってはいつまでも借金が減らない」といった注意点が多くあるのも事実です。
リボ払いは仕組みやメリット、デメリットを認識したうえで計画的に使う必要があります。
リボ払いとは?
リボ払いとは「リボルビング支払い」の略称で、毎月の支払い額を一定額に抑えられる支払い方法です。
具体的には「自分が設定した金額+手数料」が毎月引き落とされていくため、家計や支払い計画が立てやすいという特徴があります。
リボ払いの仕組み
毎月の支払いがほぼ一定になる
リボ払いは「クレジットカードの利用件数や利用額に限らず、毎月の支払いが設定した金額でほぼ一定」というシステムです。
例えば毎月の支払い設定が「1万円」の場合、今月20万円の冷蔵庫、5万円の炊飯器を買ったとしても次月の請求は「1万円」になります(厳密には1万円+手数料)。

分割払いとは、何が違うのでしょうか?

分割払いは「1件のお買い物を何回で支払うか」を決める支払い方法です。
上記の例だと、冷蔵庫20万円を何回で支払うか、炊飯器5万円は何回で支払うかを個別に決めます。
その回数によって1回あたりの支払金額が個別に変わります。
リボ払いはすべての利用額をひっくるめた「支払い残高」を一定の金額で支払っていくという形のため、似ているようで全く異なる支払い方法です。
商品 | 分割払い | リボ払い(毎月1万円支払設定の場合) |
---|---|---|
冷蔵庫 (20万円) |
「5回支払い」の場合 4万円×5回(+手数料) |
25万円+手数料が終わるまで、毎月1万円+手数料を支払い続ける |
炊飯器 (5万円) |
「2回支払い」の場合 2.5万円×2回 |
定額方式と残高スライド方式
リボ払いの返済方法は大きく分けて2つあります。
定額方式 | 残高スライド方式 |
---|---|
支払い残高の大きさに関係なく、いつもほぼ一定の設定金額を支払う | 支払い残高によって、毎月の支払い額が段階的に異なる |
わかりやすいのは定額方式で、どれだけリボ払いでお買い物しようとも、毎月決まった金額(+手数料)を支払います。
残高スライド方式は、ほぼ一定額を支払えるというリボ払いの特徴は変わらないものの、毎月の設定金額が支払い残高によって変動する支払い方法です。
例えば「支払い残高が10万円未満なら毎月の支払いは1万円」「支払い残高が10万円以上20万円未満なら毎月の支払いは2万円」という設定の場合、支払い残高が10万円を超えない範囲でリボ払いを続けている分には毎月の支払い額は1万円+手数料となります。
しかし、ある時出費がかさむなどしてリボ払い残高が10万円を超えると、次月の支払いは2万円+手数料となります。

定額方式も残高スライド方式についても、最低設定額やルールがカード会社によって異なります。
リボ払いをする際にはあらかじめ各社の条件をしっかり確認しておきましょう!
リボ払いのメリット・デメリット
リボ払いのメリット
毎月の支払いがほぼ一定になる
リボ払いの仕組みでも説明しましたが、設定した金額+手数料が毎月引き落としとなるため、毎月の支払いをほぼ一定にできます。
手数料が支払い残高等によって変動しますが、大まかな毎月の引き落とし費用を一定にすることで支払いの計画は立てやすいといえます。
ひと月の負担を少なくできる
例えば20万円の冷蔵庫を一括や2回払いで買うのは大変ですが、リボ払いの場合は毎月の負担を抑えることで少額からゆっくり返済可能です。
カード会社にもよりますが、最低5,000円から返済を設定できることが多く無理なく毎月返済に充てられます。
余裕があればまとめて返済も可能
カード会社にもよりますが、「ボーナスが出たし今月は余裕があるから多めに返済したい」といった対応も可能です。
特にリボ払いで5,000円等の少額で毎月支払っている場合は、どうしても返済期間が長くなってしまいがちです。
返済が長引けば長引くほど手数料(利子)の返済も続きますので、まとめて返済できるときは多めに払っていくこともおすすめです。
リボ払いのデメリット
高額な金利手数料が発生する
リボ払い最大のデメリットは高額な金利手数料です。
リボ払いの通常手数料(実質年率)は多くのカード会社で15%でほぼ横並びです。
単純計算で20万円の支払い残高を1年間借りたままの状態だと実質23万円返済が必要になる…ということになります。
実際には毎月の返済設定額や繰り越し設定などで変動しますが、結果的に売値よりも高いお金を支払って商品やサービスを手に入れたことになってしまいます。
返済期間が長くなってしまう
リボ払いは少額(5,000円程度)から返済額を設定できる便利な制度ですが、その代わり少額返済であるほど返済期間が長くなってしまうデメリットがあります。
支払い | 支払元金 (円) |
手数料 (円) |
支払合計
(円) |
残高 (円) |
---|---|---|---|---|
1か月目 | 10,000 | 2,131 | 12.131 | 190,000 |
2か月目 | 10,000 | 2,336 | 12,336 | 180,000 |
3か月目 | 10,000 | 2,286 | 12,286 | 170,000 |
4か月目 | 10,000 | 2,159 | 12,159 | 160,000 |
5か月目 | 10,000 | 1,967 | 11,967 | 150,000 |
6か月目 | 10,000 | 1,905 | 11,905 | 140,000 |
7か月目 | 10,000 | 1,721 | 11,721 | 130,000 |
8か月目 | 10,000 | 1,651 | 11,651 | 120,000 |
9か月目 | 10,000 | 1,528 | 11,528 | 110,000 |
10か月目 | 10,000 | 1,265 | 11,265 | 100,000 |
11か月目 | 10,000 | 1,273 | 11,273 | 90,000 |
12か月目 | 10,000 | 1,109 | 11,109 | 80,000 |
13か月目 | 10,000 | 1,019 | 11,019 | 70,000 |
14か月目 | 10,000 | 863 | 10,863 | 70,000 |
15か月目 | 10,000 | 764 | 10,764 | 50,000 |
16か月目 | 10,000 | 636 | 10,636 | 40,000 |
17か月目 | 10,000 | 493 | 10,493 | 30,000 |
18か月目 | 10,000 | 382 | 10,382 | 20,000 |
19か月目 | 10,000 | 246 | 10,246 | 10,000 |
20か月目 | 10,000 | 127 | 10,127 | 0 |
合計 | 200,000 | 25,861 | 225,861 | 225,861 |
上記表はJCBの公式ホームページで利用できるリボ払いシミュレーションですが、20万円の商品を毎月1万円の設定でリボ払いをした場合、完済に2年近くもかかってしまいます。
リボ払いで支払いを続けている間はずっと手数料も支払い続けるため、毎月の設定金額が少額であればあるほど返済期間が長引き手数料も余計にかかってくることとなります。
このシミュレーションの場合、20万円の冷蔵庫を買うのに結果的に22万円以上の出費をしてしまっていることになります。

今回は「20万円の冷蔵庫1件」だけのシミュレーションでしたが、この間に他の商品やサービスをリボ払いで支払えば、リボ残高はどんどん増えていくこととなります。
支払い残高が増える=手数料も増えていきますので、雪だるま式に返済期間も長引いてしまうことになります。
商品ごとの支払い状況がわかりにくい
分割払いと違い、リボ払いは「支払い残高全体」に対して返済を続けていきます。
先ほどの冷蔵庫のシミュレーションでも、10ヶ月目(残高10万円)の時点で新たに10万円の商品をリボ払いすれば、支払い残高は20万円となります。
その合計20万円に対して「設定金額(今回は1万円)+手数料」を支払っていくこととなるため、結局どの商品の完済がいつ終わるのか(終わったのか)の管理が大変難しくなります。
クレカやローンの審査に影響してくる
リボ払いは厳密には「借金」ですので、リボ払い残高が多い=借金が多い人とみなされます。
新たなクレジットカード申し込みや住宅ローン、自動車ローンに申し込む場合、リボ払い残高が多い人は審査で不利になる場合があります。
というのも、「リボ払い(借金)が多い=お金に困っているのでは…」とカード会社や銀行が不安に思い、貸し倒れのリスクを恐れて審査に通さないケースが想定されるからです。

リボ払いをはじめ、クレジットカードの支払い履歴やキャッシングの使用実績はすべて「個人信用情報機関」に記録されています。この記録はカード会社や銀行などが閲覧できるため、借り入れや返済残高が多いかどうかがすぐにわかってしまいます。
リボ払いは事前のシミュレーションをしっかりと!
リボ払いのメリット・デメリットを紹介してきましたが、便利な反面「無計画にリボ払いを続けるといつまでも返済が終わらない」という状態に陥りかねません。
リボ払いの前にはしっかりシミュレーションをしましょう!
「リボ払いを使うほうがポイントが貯まるから」「とりあえず今お金がないのでリボ払いで先延ばし…」という安易な動機でリボ払いを始めるのはリスクがあります。
先ほどの20万円の例をとっても、月々1万円では20ヶ月、最低金額の5,000円だと40ヶ月もかかってしまうことになります。
その間に別のリボ払いをすればさらに手数料や返済期間が増えていきます。
もし新たなクレカを作成予定である方や、マイホームやマイカーを購入予定の方はローンの審査への影響も含めて、長期的なシミュレーションが不可欠です。
なお、リボ払いのシミュレーションは、楽天カードやJCBカードの公式サイトから行うことができます。
簡単な入力作業でシミュレーションができますので、リボ払いを検討される場合は試しておきましょう!
初心者必見!クレジットカードのリボ払いのQ&A
リボ払いになっているのか確認する方法はありますか?
申込時にリボ払いを設定した場合は、店頭やメールでもらっている契約書や利用規約を確認してみると良いでしょう。
また、ほとんどのカード会社では「会員専用サイト(マイページ)」を設けているので、そこで現在の支払い状況や設定を確認できます。
もし、マイページで不明な点はカード会社に電話してみるのもおすすめです。
リボ払い専用のクレカはありますか?
セディナカード Jiyu!da!やライフカードStylishのように、数は少ないですがリボ払い専用のクレカもあります!
リボ払い専用のクレカでは、支払い時にリボ払いを指定しなくても自動的にリボ払いとなります。
やっぱりリボ払いをやめたい…解除するにはどうすればいいですか?
まずはカード会社に連絡してみましょう。
あるいは会員専用サイト(マイページ)でリボ払いを解除できる場合もあります。
注意点は、リボ払いを解除してもこれまでのリボ払い残高はなくならないことです。引き続き毎月支払う必要があります。
ただし、手持ちに余裕がある場合などは「一括返済」などの対応がカード会社によっては可能です。
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